2024年8月 派遣4日目 8月16日
前日に続いてバッタンバン州保健局のトレーニングルームで研修を実施しました。
30名ほどまでにしてとお願いしたけど、今日も50名で定員オーバー
BLSの研修を行うと必ず毎回出る質問が「CPR(胸骨圧迫と人工呼吸)をいつまで続けるか?」「やめるタイミング」です。
日本の救命救急センターで働く講師は「『脈が戻るまでやり続ける』という意識ですが、もうダメだという判断の基準としては、硬直が出るなどの症状や、心臓が止まってからの時間といった情報、そしてモニターなどの機器があれば科学的に、状況に応じて最終的には医師が判断します」と答えていました。
救命の現場では「救いたい」と思っても救えない状況は多々あるわけで、そのストレスは大変なものだろうということは想像がつきます。
一概には言えませんが、カンボジアでは諦めるポイントが日本より早いし、諦める前に「CPRが原因で命を落とした」と問題になることもあるため、現場で何もせずに病院に運んでから(つまり完全に手遅れの状態で)CPRを始めるということが少なくありません。
医療ミス(?)だとFacebook をはじめとしたSNSで拡散され大問題になるケースも少なくなく、それ故に医療従事者も、問題になりそうなことには手を出さないようにするなど態度を硬化させるという悪循環が起きているという事実もあります。
CPRの有効性やその方法を市民に教育することも大切ですし、同時にミスにならないよう確かな技術を身につけることも重要です。