《カンボジア派遣報告》
ザンビア事業が始まりましたが… 8月にカンボジアに派遣された岡山大額病院認定看護師 三橋氏から頂いた報告文(最終章)を掲載します。
【第四弾】~今回のカンボジア派遣全体を通して感じたこと~
今回の派遣を終え、カンボジアの救急医療体制のレベルアップのためには、ソフト面、ハード面ともに支援が必要であることは間違いない。ハード面では諸外国からの支援(特に、中国・韓国・日本)で、医療機器や搬送車両などは受けているようだが、その使用方法やメンテナンスはされておらず、使用方法が分からない、メンテナンス不足で使用できない物が多くあった。物の支援だけでなく、カンボジアの医療従事者達が自ら管理し、長期的に使用していけるように支援していく必要がある。
次に我々のプロジェクトの中心でもある医療教育体制の整備も、
そもそもカンボジア、特に今回のバッタンバン州のような地方の医療従事者にとっては、教育を受ける機会もなく、運よく学ぶ機会に出会ったとしても、それを他者に教えるという習慣も無かった。その分、我々が実施した外傷トレーニングでは参加者の学びたいという熱意も強く感じられた。次はその教育を受けた医療従事者達がそれぞれの医療機関や地域に戻り、知識を落とし込んでいく作業が必要になる。今回の派遣で、今後バッタンバン州の医療教育のコアインストラクターになり得る医療従事者を選定し、今月日本にも招聘し、日本の医療について知って頂いた。ただ、日本の救急医療教育をそのままカンボジアで実施しても意味がない、カンボジアの現状にあったシステムを作り上げていく必要がある。だからこそ、現地のインストラクターと我々がしっかりコミュニケーションをとりながら、作り上げていく必要があると感じた。国籍は違えど、同じ救急医療に携わる者として、患者の救命に尽力する者として、ともに活動していきたいと考えている。