家畜薬浴槽リサイクル活用
家畜はザンビア人にとっては、非常に大切な財産です。
部族によっては、多くの牛を結納として用意しないと結婚も出来ません。その牛にとって致命的なのは、ダニが媒介するコリドー病などの病気です。チペンビでも数年前に大流行して、多くの牛が失われました。
TICOではヨーロッパの援助で作られたものの、長年使用されていなかった牛の薬浴槽を、現地の農業省の獣医さんたちの指導のもと、地域の牛所有農家と共に修理して再活用し、家畜の疫病を防いでいます。
ディップタンクの仕組み
ディップタンクの全体図。
入り口からフットバス、2mの薬浴槽、待機場所に排水溝がついた画期的なシステム。
チルクトゥ・ディップタンク
運営の仕組み
チルクトゥのディップタンクの運営はクラブ制です。登録している農家だけがディップタンクを利用できます。メンバーになるには、まず5,000クワチャ(約100円)の入会費に加え、5,000クワチャの会費(2年毎)を払います。登録時に自分の保有する家畜の数を申告します。2009年7月時点でメンバーは46名です。
毎週金曜日に実施
ディップタンクは毎週金曜日に開かれます。農家たちの都合を考えて、収穫期は午後に、農閑期は午後に薬浴が実施されます。コリドー病は予防する以外に方法がないので、週1回の薬浴をメンバーには推奨しています。1回の薬浴料は、牛1頭につき350クワチャです。
2009年7月現在の情報。クワチャ(ザンビア通貨)は当時1USドル=約5000クワチャ。
〜薬浴(ディッピング)の流れ〜
グループ毎に入り口の柵に入ります。
浴槽への通路は徐々に狭くなっていき、1頭ずつの薬浴が可能になります。
浴槽に入る前に、足についた土を落とすためのフットバスを設置しています。
浴槽は2メートルの深さがあるため牛たちは全身を薬剤に浸すことができます。
※屋根は、雨が入ってくるのを防ぐためと日光による薬液の蒸発を防ぐためにつけられています。
牛の体についた余分な薬液を落とし、排水溝を通じて浴槽にその薬液が戻ります。排水溝の一部深くなっているところで不純物(体についていたダニ等)は沈殿。